大塚家具の戦略を分析する
この記事で読んでちょっと違和感があったので、
大塚家具について分析してみた。
http://news.livedoor.com/article/detail/13518366/
結論から言うと、
売上が下がっていることを論拠に
ビジネスモデルの転換が失敗だと論じるのは間違いだと思います。
下のグラフは大塚家具の売上推移です。
見てほしい点は2点あって、
1点目は2015年-2016年です。
見てわかる通り売上が激減していて、
これは大塚 久美子社長が打ち出した新戦略による影響です。
2点目は2007年から2011年です。
700億円あった売上が550億円まで減少しました。
その後現在にいたるまでほぼ横ばいで推移しています。
一方でニトリの売上はどうでしょうか?
現在に至るまで売上が増加し続けています。
売上という観点で見ると、
大塚家具のビジネスモデルがオワコンになりつつあるのが
わかるかと思います。
これについて、
現在の経営陣はライフスタイルの変化だと要因だと分析しています。
アニュアルレポートにまとめて書いてありますが
簡単にまとめると
①まとめ買いから単品買いへの変化と
②ネットストア普及による品揃え価値の低下によって、
会員制というUSPがうまく機能しなくなったということです。
特にまとめ買いについては
新しく家を建てる人が今後減っていくのはほぼ確実なので
日本においてまとめ買いを中心やっていくのは難しいでしょう。
また、強豪であるニトリやイケヤなども品質に力を入れていますので、
大塚家具のメインターゲットである富裕層にとっても、
「これは大塚家具じゃなくてニトリでもいいや」
というシーンが増えてきていると思います。
これらを考えるとジワジワ弱体化していくよりも
勝負をしたいと考える層が一定する発生することは理解できます。
ジリ貧が続くとP/Lが悪化していく可能性があるので、
勝負するなら体力のある今なのでしょう。
今後の成長のためにビジネスモデルの転換は必要だとして、
今回の戦略は合っていたのでしょうか?
大塚 久美子社長の戦略の屋台骨は
販売ターゲットの変更です。
従来の富裕層から比較若い世代まで取り込もうというものです。
本来はユニクロとGUのように別ブランドで実施してもよい施策ですが、
残念ながらお家騒動でその線は消え、
ハードランディングになってしまいました。
その結果、売上が大幅に減少し、営業赤字を出しています。
これについては、早急に対策が必要です。
売上の読みが甘かったという点もありますが、
そもそもの原因はビジネスモデルの再構築を急ぎすぎて、
ニトリやイケヤに対するUSPを用意できなかったという点かと思います。
今の戦略だとニトリとイケヤとガチで戦うことになり、
消費者に対して大塚家具の特徴・優位性が伝わらないとかなりタフな戦いになるでしょう。
プロフェッショナルによる提案サービスをUSPにしようとしていると思いますが、
店舗での施策なので、運用に乗るかどうかという点が鍵になります。
基本的に、歴史のある会社が大きく戦略を変えてチャレンジしているという点で、
僕は大塚 久美子社長を支持しているのでぜひ結果を出してほしいと思います。