父の日に思い出したこと
今週のお題「おとうさん」
すでに父親はいないし、私も父親になる予定もない。
父親について思い出すことは、お酒をよく飲んでいたことだ。
父は、ビールも日本酒も焼酎も、お酒ならなんでも飲んでいた。
私は覚えていないが兄曰く、昔はウィスキーをよく飲んでいたらしい。
子供のころは、なぜそんなにお酒を飲むのかわからなかったし、お酒を飲む父が嫌いだった。
なぜ、我が家は貧乏なのに、そんなにお酒を飲むのだ。
そのお金があればもっと別のことに使えるのに。
お酒を飲むこの年齢になってみれば、そのお酒代はそこまで高いものではなかったのがわかる。
ただ家でおつまみもなく安酒を飲んでいたのだった。
しかし、その当時の私はお酒こそが貧しい家庭の原因と考えていた。
ともかく、父は不安だったのだろう。
自分が選んだ選択に、将来に、家庭に、不安ではなかったことはないのだろうか。
私が幼年期を過ごした時代は、私にとって、水面がきらきらと反射するような楽しくもノスタルジックな時代だったが、父にとっては、先の見えない暗い時代だった。
父の人生は決して幸せではなかったろうし、私はその加害者である。
父の人生が順風満帆でなかったように、決して私の人生も順風満帆ではない。
そして同じく不安に駆られてお酒を飲む。
しかし、私はあなたとは同じ過ちを侵さない。そして結末を変えるつもりだ。